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求め続けるもの(21) [長編]

「・・・・・さて、どうしたものか」

一向に目を覚ます様子のないユーリのベッドの横で

ラムセスは呟いた。



いつもなら隙を見せないユーリが無防備に目の前に

手の届く場所に居る。

しばらく見なかったせいか少しばかり

女っぽくなったような感じがする。



さあ早く目を覚ませ。

いつものような山羊のような瞳で俺を見ろ。



よく分からない期待が心を占めている。

それが可笑しくてフッと笑う。

女なんてどれも同じだと思っていたのに。






程なくユーリはうっすらと目を開けた。

だがラムセスが期待したものではない。

自分の姿を見た瞬間おお大きく目を見開いて

明らかに怯えていた。


「ユーリ・・・・?」




「何?此処はどこなの?」


「なっ・・・!!」


その様子はいつものユーリではなかった。




「ワセト」

「はっ!」

「いますぐ医師を!」

「承知いたしました」


ワセトはこれほど取り乱すラムセスを見たのは初めてだった。




かけつけた医師にもはっきりとした事は分からなかった。

ただわかったのはユーリが子供を宿していた事。



いろんな疑問が一気にラムセスの頭を巡った。

多分、父親はあの男(カイル)に違いない。

こんな状態のユーリを見捨てるような男ではない。

では何故ユーリは此処にいる?



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Ruriko Maeda

この2次元小説、夢中になって読んでます。おもしろい。本物の作者さん顔負けかと思うくらい才能がありますね。ところで続きは書いてないのですか?続きが読みたい。
by Ruriko Maeda (2022-05-21 20:11) 

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